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​前世の物語

私は、曽祖父の遺伝で前世が映画のように見えます。

音も声も感情も映像も、とてもリアルに見えるのです。

初めは、自分が見ているものに驚きましたが、それが前世だと衝撃的にわかりました。

見終わったあと、魂が強く揺さぶられ、号泣していました。

​自分の目の前にある全ての世界が、奇跡にしか感じられなかった。

私は、今、なんて素晴らしい世界にいるのかということを知り、この奇跡のような自分の人生を、より輝きに満ちたものにしたい!と強く思いました。

​私と娘たちの前世のストーリーがこちらです。

* * * * *

ある夜、幼かった長女と次女を寝かしつけて、部屋を出ようとしたとき、突然目の前で始まったストーリーが自分の前世だと、私は、すぐに分かりました。

そのストーリーを見た瞬間、全てを想い出したのです。

違う時代で生きていたとき、いわるゆ前世で生きていたとき、ヨーロッパの古い時代、山奥で薬を作ることを生業にし、ひっそりと暮らしていたあのとき。

ある満月の夜に、親に捨てられた幼い女の子が二人、老婆だった私のところへ、訪れてきた。

「一晩泊めてください」って。

今の長女と次女だった。

一人だった私は、面倒くさいと思いながらも、不憫な二人を家に迎え入れることにした。

次の日の朝から、自分たちを受け入れてもらうために、一生懸命、私の手伝いをする彼女たち。

可愛らしかった。

私は、二人を受け入れ、三人で楽しく暮らしていた。

ある日、当時、まだ四歳くらいだった次女が、高熱を出した。

薬屋をしていた私は、すぐに薬を作り飲ませたが、一向に効かなかった。

そして、三日後、次女は、亡くなってしまった。

とっても可愛くて、愛おしくて大好きだった次女を失った私は、自分を見失い、食事もせずにずっと泣いていた。

そんな私を心配し、自分も、たった一人の妹を亡くし、辛くて悲しくて泣きたいのを必死でこらえながら、かいがいしく世話をしてくれた長女。

でも、それが私には苦しかった。疎ましかった。

私は長女に辛く当たっていた。

それでも長女は、本当に健気に私の世話をしてくれていた。

苛立ちを止められなかった私は、ある日、長女が用意してくれたスープを、彼女に投げつけてしまった。

その器を片付けながら長女は、「ごめんね。私が死ねば良かったね。ごめんね。私が生き残ってしまって、ごめんね。」と、必死で声を押し殺して泣いた。

はっとした。

自分の妹を亡くして、一番辛かったのは長女だ。

それなのに、泣くのを我慢していた長女に、私は、なんてことを!!!

 

自分が、一番悲しいと勘違いしていた。

私は、長女を抱きしめた。

「ごめん。一番辛かったのは、お前だったね」

長女は、私にしがみつき、泣きじゃくっていた。

これからは二人で生きていこう!

妹の分も、しっかり生きていこう!

二人で、そう誓った。

でも次の日、長女は、私の目の前で殺された。

私のせいで、私に恨みを持つ人に殺された。

その時の絶望を、覚えている。

いろいろあって、やっと分かり合えたあの日。

これからやっと、笑顔で、二人で暮らしていけると喜んだのに。

その次の日に、長女は、私のせいで殺された。

分かち合うのが遅すぎた。

なぜ、もっと早く気付かなかったのだろう。

なぜ、もっと早く抱きしめなかったんだろう。

なぜ、もっと早く一緒に笑顔で過ごさなかったんだろう。

 

全てが遅すぎた。

一緒に過ごせる幸せに、気付くのが遅すぎた。

もっと一緒に生きたかった。

もう一度、あの子たちと一緒に過ごしたかった。

会いたい。あの子たちに、もう一度会いたい。

* * * * *

 

私は、その前世をはっきりと思い出しました。

今、あの時の彼女たちが、自分の目の前にいることが信じられないくらいの幸せだと、そのストーリーを見た日に気付きました。

今、この時代に、この日本に、この地に、この家に生きていること、そしてこの出会いは、凄い奇跡だと感じました。

全てが、愛おしくなりました。

目の前にいる彼女たちを抱きしめずには、いられませんでした。

このストーリーは、突然、目の前で始まりました。

人は、幸せになるために生まれてきています。

私は、すべての人に自分の命の奇跡を知ってもらいたい。

そして、その命を輝かせる力が、自分にあることを信じ、人生を輝かせて欲しいと、心から願っています。

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